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くろはおうさま [絵本]

10月10日は目の愛護デーです。なぜなら、10.10を横にすると、人の顔の目と眉に見えるからだそうです。 こちら↓に詳しく書いてあります。
https://www.nidek.co.jp/eyestory/eye_12.html


しかしながら、世の中には目の見えない人がいるのもまた事実。
最近、「ある程度の年齢になってから目が見えなくなった場合はともかく、生まれつき見えない人(または見えていた時の記憶がない人)にとって色はどんなだろう・・・」と考えていた時、こちら↓の絵本の存在を知りました。


くろは おうさま

くろは おうさま

  • 出版社/メーカー: サウザンブックス社
  • 発売日: 2019/11/16
  • メディア: 単行本




簡単にいえば、目の見えない人の世界が体験できる絵本です。
気になる内容は、目の見えない主人公が色をどう感じているか、というお話です。
例えば、最初の黄色では、
きいろはからし。 ぴりりと からいけど、ヒヨコのはねみたいにふわふわ。
といっています。

茶色のシーンではこう。
このはが ちったとき、ちゃいろは ふむと カサコソ いう。 ときには チョコレートのにおいがして、ときには くさーいこともある。

つまり、色を味と匂い、音、そして感触で表現しているんですね。
で、最後に主人公は「黒は色の王様」と、いいます。
そして、触って体験できる点字のあいうえお表もあります。

DSCN4214.JPG
とりあえず、赤を表現しているページを紹介します。このように絵は黒いページに透明のインクで凹凸に描かれていて、触って楽しむ事ができます。
DSCN4219.JPG
文章は銀色の文字と点字で書かれています。


DSCN4220.JPG
うれしい事に、文章を点字にした点字シートの付録も付いています。

DSCN4223.JPG
因みに、空に浮かぶ虹の表現はこうなっています。

この本はメキシコ生まれのお話で、14か国語に翻訳されているそうです!

このような本は非常に珍しいです。なので、もっと世に広まってほしいです。
電子書籍の時代とはいえ、点字や触って楽しむ絵は紙の本ならではの事。
本書と合わせて読みたいのがこちら↓の一冊。


目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

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子供とカエル [ちょっと考えた事]

イソップ童話の子供とカエルのお話を最近始めて知りました。気になる物語の内容はこうです。
男の子が数人集まって池に石を投げて遊んでいました。ところが、池にはカエルがたくさん住んでいて、石が当たる度にカエルは大ケガをします。
そこで、一番年よりのカエルが男の子たちに
「石を投げるのはやめてください」
といいます。しかし男の子たちは、
「僕たちは何も悪い事してないよ、石を投げて遊んでいるだけだよ」
といいます。するとカエルは、
「あなたたちにとっては遊びですが、石が当たると私たちは大ケガをします」
といいました。そして、男の子たちは何もいわずに立ち去って行きました。



これは非常に興味深いお話です。自分にとっては遊びのつもりでも相手にとっては大迷惑な事もある。だから相手の立場も考えなさいよ、という例えですね。これは今も昔も通ずるところがあります。
そこで、このお話と実際にあった出来事を重ね合わせて、いくつか挙げて行く事にします。

最近の出来事ですがテラスハウスの出演者が自殺した事件です。SNSに誹謗中傷をした人は軽い気持ちだったとは思いますが(まぁ、番組内容をあんなふうにしたスタッフも問題ですが)、あのような書き込みされた側はひどく傷つきます。

ちょっと古いですが、次はピアノ騒音殺人事件です。
上の階に住んでいる一家がうるさいとばかりに下の階の住人が殺人を犯した事件です。音を立てた被害者からしたらそんなつもりはなかったと思います。(加害者自身が精神的におかしかった、というのもありますが)加害者にとっては大変気に障る事だったと思います。つまり例えていうなら、被害者が男の子たちで、加害者がカエルなんです。
勿論、一番悪いのは加害者なんです。しかし、相手の迷惑を考えなかった被害者にも非はあったと思います。

もっと身近な事では、目の不自由な人のために作られた道路の点字ブロック。黄色くてデコボコしたあのブロックですよ。その上に何と自転車を停めたりする人がいます。私たちみたく目が見える人(男の子のポジション)にとっては何て事ないんですが、目の見えない人(カエルのポジション)にとっては迷惑極まりない事なんです。

こちらは例えがちょっと間違っているかもわかりません。

人生会議のポスターの事を覚えているでしょうか。ある芸人さんが死期が迫った患者に扮したアレですよ。こちら↓に詳しい事が書いてありますが。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00135/00015/
このポスターは医者でさえも見るが嫌だったとか。
厚労省(男の子のポジション)は警告したつもりだったとは思います。しかし一般人、特に患者あるいはその遺族(これらはカエルのポジション)にとってはあまりにもふざけた内容だったと思います。
私があのポスターを見て、「こうやって病院で看取られるとみんなに気を使っちゃいそうだな。これなら一人で家で野垂れ死に(孤独死)したほうがマシか・・・」と、考えたのはいうまでもありません。

あとは悪ふざけ写真を投稿するアルバイトの店員、いわゆるバカッターといわれる人たちです。
店員(男の子のポジション)からすれば、ただ面白い写真を投稿しただけ。ところがお客、経営者(これらもカエルのポジション)にとっては、「何バカな事やってるんだ!」、「こんな店員がいる店にはもう二度と行かない!」、「これじゃもうお客は来ない・・・。店がつぶれてしまう・・・」といった感じです。
そして、いうまでもなく、このような写真を投稿した人は、人生が終わってしまったのも同然の生活を送る事になります。



ちょっと思い出したのですが、私の中学時代、男の子たちがストローに画びょうをつけてそれをダーツの矢のようにして壁に投げて遊んでいました。しかし、それが先生に見つかってこっぴどく叱られていました。勿論、童話の男の子たちと同様、悪意はなかったのかもしれません。でも、もし画びょうが誰かに刺さってケガでもさせてしまえば、それこそ取り返しがつかなくなってしまいます。
しかし、今思えばそれを無暗やたらに止めるのもいかがなものかと思うのです。おもちゃやゲーム機がなかった時代の子供たちは、自分で工夫しておもちゃを作ったり、遊びを考えたりと、いろいろ工夫したものです。だから、相手のいい分も聞かずに叱るのはよくない事だと思います。
勿論、何事にもTPOがあるんだし、そこをちゃんと教えるのが大人の役目だと思うのです。この場合は「工夫して遊ぶのはいいけど、このような事は誰もいないところでやろうね」という感じに。

すみません![あせあせ(飛び散る汗)]今回はかなり長くなってしまいました!
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物語のパターンは6パターン? [本に関する知識]

小説家になりたい方へ。ぜひ読んでください。

偶然あるサイトで知ったのですが、物語のパターンは6通りしかないとか。
「ひたすらハッピー」、「ひたすらアンハッピー」、「ハッピー→アンハッピー」、「アンハッピー→ハッピー」、「アンハッピー→ハッピー→アンハッピー」、「ハッピー→アンハッピー→ハッピー」だそうで。
これらの物語のタイプを私なりに、お話のジャンルは関係なくは、思いつく限りまとめてみました。

1ひたすらハッピー
「桃太郎(昔話)」「金太郎(昔話)」「雪渡り(童話)」「天使にラブソングを・・・(映画)」「サザエさん(アニメ)」「トルネコの大冒険(ゲーム)」など

2ひたすらアンハッピー
「北の国から(ドラマ)」 「火垂るの墓(映画)」「島ひきおに(童話)」「よたかの星(童話)」など
  
3ハッピー→アンハッピー
「デスノート(漫画)」「ドリアン・グレイの肖像(小説)」「A.I.(映画)」「かぐや姫(昔話)」「ひよこの眼(小説)」など

4アンハッピー→ハッピー
「セロ弾きのゴーシュ(童話)」「長靴をはいた猫(童話)」「走れメロス(小説)」「夢をかなえるゾウ(小説)」「ボノロン(絵本)」「クリスマスキャロル(小説)」「母をたずねて(小説)」「エクソシスト(映画)」など
あと、ロールプレイングゲームや脱出ゲームにもよく見られるパターンですね(笑)。

5アンハッピー→ハッピー→アンハッピー
「笑ゥせぇるすまん(漫画)」「銀河鉄道の夜(童話)」「マッチ売りの少女(童話)」「泣いた赤鬼(童話)」「アマデウス(映画)」「窓際のトットちゃん(自伝的物語)」など
「笑ゥせぇるすまん」にもハッピーエンドな話がたまにあるのですが、このような展開が圧倒的に多いのでここに入れました。

6ハッピー→アンハッピー→ハッピー
 「小公女」や「白雪姫」など、物語のほとんどはこのパターンだと思われます。


まぁ、実話やホラーは別として、当然ながらハッピーエンドが好まれるみたいですね。
長い物語になると、ハッピーなシーンやアンハッピーなシーンが交互に出てくる事もありますが、全体的見ればどれかに当てはまるんですね。
勿論、「窓際のトットちゃん」も悲しいシーンや楽しいシーンが交互に出たりするのですが、大雑把に見れば5に当てはまると思います。
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ぷれぜんと [絵本]

夏もいよいよ終わりですね。
なので、今のうちに夏にふさわしい一冊を紹介します。


ぷれぜんと: 勇気がでる絵本

ぷれぜんと: 勇気がでる絵本

  • 作者: nicolabel
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2018/10/11
  • メディア: Kindle版





海の底にタコさんが住んでいました。タコさんは恥ずかしがりで家から出てきません。家の中からただただ外を眺めるだけでした。
他の魚たちは気を使って声をかけてくれるのですが、タコさんは出てきません。
そんなある日、嵐がやって来ます。タコさんは流されていたヤドカリさんを助けます。
やがて嵐が過ぎて、何日か経ったある日、ヤドカリさんから手紙が来ます。何と「ボクの誕生日パーティーに来てほしい」との事でした。タコさんはキレイな貝殻をプレゼントする事にしました。そして、いざ外に出ようとすると・・・。小さい時からずっと中にいたため、そのまま体が大きくなって家の中でつっかえて出られなくなっていました。そして、みんなに手伝ってもらってやっと外に出られます。
そして、タコさんはいつしかみんなとすっかり仲良くなっています。
そして、ヤドカリさんにプレゼントを渡す事ができました。


あと、引きこもりの方にもぜひ読んでほしいですね(笑)。
引きこもりから立ち直るためには、このタコさんみたく勇気を出して一歩踏み出す事と、そして何より周りの助けが必要なんですね。
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ズズのズッキーニ [絵本]


ズズのズッキーニ








なんか、悲しい話ばかり紹介してきたので、今度はちょっと笑えるお話を紹介します。今回は夏にぴったりな一冊です。

ズズとミミズみたいな生き物モズの物語です。
ズズが朝になるとテントから出るので、モズは仕方なくついて行きます。
モズが種をまき、その上にズズが水を掛けます。そのシーンでの恐竜の形のジョウロが何ともいいです(笑)。みたい
最初は何の種かわからなかったのですが。やがて大きくなってズッキーニがなりました。そして、ズッキーニは持ち運べないぐらい大きくなります。
ズズは、大きなズッキーニで舟を作ることにします。勿論、あまったズッキーニはちゃんと食べました。次の日、ズズはその舟で海に出る事にしました。モズの心配をよそに、ズズは舟遊びを楽しみます。勿論、モズの勘が当たります。魚が舟を食べはじめたのです(もともとおいしいズッキーニですからね)。これぐらいなら大丈夫だと思っていましたが、今度は大きな魚が来て舟を半分食べてしまいます。
たまたま近くにあった小さな島に逃げられたものの、どうしたら家に帰れるのか、モズは途方に暮れてしまいます。しかし、ズズはいい事を考えます。
・・・詳しい事はあえて伏せておきますが、何とか家に帰れました。
そして、なんと!ズズは島にあったヤシの実をちゃっかり持ち帰っていました。で、モズはただそれを見ているしかありませんでした。この様子だと、懲りずにまたなんかやりそうですねぇ(笑)。なので、ズズたちの後日談が聞きたいところですな~。

テントで暮らしている様子を見ると、ズズはスナフキンみたいな自由を愛する旅人なのかな?と思います(見た目も似てるしね)。
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島ひきおに [小説、童話]

また、夏休みの読みたい一冊です。



山下明生・童話の島じま〈3〉梶山俊夫の島・島ひきおに








この「島ひきおに」という物語は作者がある伝説を基に書いた童話だそうで。

「島ひきおに」のあらすじですが、昔小さな島に鬼が独りぼっちで住んでいて、寂しい日々を送っていました。船が通る度に「こっちに来て遊んで行け!」と声を掛けますが、当然ながら怖がって誰もよりつきません。
ある荒らしの晩、たまたま通りかかった船が、助けを求めようとして島へ立ち寄ります。鬼は大喜び。漁師に話しかけます。漁師たちはびっくり!そして、「命ばかりはお助けください」と鬼に頼みます。鬼は、
「独りじゃさびしいから、あんたたちと一緒にくらしたいけど、どうしたらいいのだ」
と訊きます。すると漁師は思わず、
「私たちの島はせまいので、あなたが住んでいる島を持ってきたら一緒に暮らせるでしょう」
と、いってしまいます。
次の日から鬼は、いい事聞いたとばかりに、早速島を引っ張る準備をします。最初の日は島の下を削ります。そして3日目には島を引いて海を歩き始めました。
そしてようやく浜辺の村に着くと、
「おーい島を引っ張って来たぞ。こちに来て遊んで行け!」
とみんなにいいます。「鬼の島が真ん前にあったら漁にも出らない」と、村人たちは困ってしまいます。まさか本当に島を引いて来るとは思わなかったでしょうから。そして、やせっぽっちの3人の村人が出てきて、
「私たちの村は貧乏でこの通り骨と皮だけです。食べてもおいしくありません他のところへ行ってください」、「みんな腹がペコペコで遊べるものが1人もいません。ほかの村へ行ってください」
とわざと死にそうな声でいいます。鬼は仕方なく島を引いて別な村へ行きます。
いつものように「遊んで行け!」といいます。その村でも相談が始まります。すると一番年を取ったおじいさんが鬼のところへ出かけて行きました。
「わし1人を食べて他の村へ行ってください。わしの骨は息子が取りに来ます」
といって、鬼と一緒に寝ます。次の朝、おじいさんは、鬼が寝ている間に、隠し持っていた犬の骨を、寝床に入れて逃げ帰ります。鬼はびっくり仰天!おじいさんの代わりに骨が寝ていました。
やがて、おじいさんの息子がやって来て、骨を取りに来ます。
「骨はあるが、わしが食べたんじゃない」
と、おじいさんの息子にいいますが、
「寝ているうちに間違えて食べてしまったんだろう」
といわれ、また島を引っ張って海の中を歩き始めます。
その後もいろんな村を訪れるのですが、何等かの理由を付けられては村をたらい回しにされます。
そして、何年もそうしているうちに島は波に削られ消えてしまい、鬼はやせ細ってしまいました。

妖怪が人間と仲良くしようとした点では先日お話した「かっぱのめだま」と似た所がありますが、大きな違いは、鬼も悪い事したわけではないし、自分たちを守ろうとした村人も悪くないんですね。だから、どちらも、責めようがないんですね。しかも、誰も幸せになれないんですね。

「島ひきおに」はこれで終わりかと思いきや、まさかの続編!「島ひきおにとケンムン」というお話がそれなんですよ。ある島に流れ着いた鬼はケンムンという怪物と仲良くなります。ケンムンとは河童みたいな妖怪です。ネタバレなしでいうと、鬼にやっと仲のいい友達ができたのに・・・、という感じですかね・・・。あと、ケンムンの悲しい過去も見ものです!

「島ひきおに」と「島ひきおにとケンムン」、どちらも、誰からも理解してもらえない、森を荒らして環境破壊をする人たち、愛すべき者を失う、など、これらは現実に起きている事なんですね。

ちなみに、「島ひきおに」と「島ひきおにとケンムン」、どちらから読んでも問題ない作りになっています。
勿論、「島ひきおに」シリーズ以外の物語も収録されています。
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かっぱのめだま [絵本]

夏休みだなんてそんな事いってる場合じゃないのですが、今回は夏休みに読みたい一冊を紹介します。




かっぱのめだま (理論社のカラー版愛蔵本)








ある淵に河童が住み着きました。それからというものその淵には気味悪がって誰も近づかなくなりました。という訳で人間と仲良くなりたいのに河童はいつも寂しい思いをしていましたが、自分が姿を見せたらみんな怖がると思い、水の中でただただじっとしていました。
そんなある日、通りすがりの商人に声をかけられます。怪しいと思いつつも取り合えずその商人と話をしてみる事にします。すると商人は、「甲羅を何日も日に当てると甲羅が溶けて人間になれる」といいます。
翌日、河童は教わった通りにしてみる事にします。岩の上に登った河童はキレイな景色を見たり、遠くから聞こえるお祭りの音にすっかり感動してしまいます。「人間になれればあのお祭りを見に行ける・・・」と期待して甲羅干しをはじめます。
しかし、あの商人の本当の目的は、高く売れるという河童の甲羅を手に入れる事だったのです。なぜこの手を使ったのかといいますと、河童は妖怪だし下手に殺せば祟りがある、と考えたからです。
しかし、甲羅よりも先に溶けたのは柔らかい皮でした。そして岩にへばりついてしまい、頭の皿の水は沸騰してしまいます。河童は薄れゆく意識の中、通りがかりの子供たちの声を聞きます。
やがて河童は体が干からびて、頭も夏ミカンほどの大きさになって風で落ちてしまい、そこには甲羅だけが残っていました。
すると、あの商人がやってきて「もういいだろう!」とばかりに、大喜びで甲羅を抱えます。すると、「おらの甲羅なくなったかね?」という不気味な声がします。足元には河童の目玉が2つ残っていてこちらをじっと見ているのです。商人は悲鳴を上げてそのまま淵に落ちてしまいます。


どちらかというと悲しい話なんですが、絵本でありながらもホラーの要素も入っています。でも面白いです(笑)。あと、たとえそれが、妖怪や怪物であったとしても相手を騙してはいけないよ、という戒めも入っているんですね。という感じで寓話的な部分もあるんですね(笑)。
勿論、こういった事は現実にもあるんですよ。例えば、詐欺などで騙されたと気づいた時はすでに遅かった・・・、とか。

もう一度いいます。河童は人間の友達がほしかったんです。せめて同族の仲間がいればのよかったのに・・・。でもかといって「泣いた赤鬼」みたく、大切な仲間を犠牲にして何かを得るのは考え物です。
または「キリクと魔女」みたく優しくて勇気のある人が話かけてくれれば・・・、とも考えました。

この物語をネットでたまたま知り、まったく救いがないのかと思いきや、いざ読んでみればそうでもなかったのです。
やがて甲羅干しをした岩のそばに社が建てられ、お祭りが開かれるようになります。評判の賑やかさです。
そして、岩にくっついた目玉は誰かが通る度に、ただただニヤニヤ笑っていました。
なので、河童が見たかったお祭りが開かれるようになったのがせめてもの救い、あと商人は自業自得だっから結末としては悪くないほうだし、もし商人がこれで大儲けしていたらそれこそ救いのない話になっていたんじゃないか、と思うんですよ。そして最後のページには、子供たちをうれしそうに見ている河童の目や(子供たちも河童に親しげにしている様子)、河童祭りの絵もあります。

あと、キリクと魔女のお話は別の機会にいたします。
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みんなのアマビエ [その他]

また久しぶりの更新となります。
皆さんアマビエをご存じでしょうか。「これからは病が流行る。その時は私の絵を人々に見せよ」と予言したといわれる妖怪です。今回はアマビエに関する本を紹介します。



みんなのアマビエ









有名な漫画家の描いたアマビエは勿論、お菓子やぬいぐるみ、版画は勿論、陶芸や粘土細工、ステンドグラスや七宝焼きなど、いろんな方がデザイン、またはアレンジしたアマビエがたくさん載っています。
アマビエは瓦版(今風でいうと新聞)だけに登場する妖怪で、最近まであまり知られてはいませんでしたが、今はコロナウィルスが猛威を振るっているので、縁起物としてちょっとしたブームにもなっています。見た目は、顔にくちばしがあって魚のような下半身、長い髪をして人魚というよりはマーライオンみたいな感じです。
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気付いた事 [ちょっと考えた事]

今回の新型コロナウィルスで改めて気づいた事が幾つかありました。

昔は自分の好きな事をしないと後悔すると考えていましたが年を重ねるにつれ、「自分の好きな事をするよりも誰かのために生きよう」と考えるようになりました。人は誰かのために生きている生き物だし、そうしないとそれこそ後悔すると思うのです
そして、今はその思いは一層強く鳴りました。

それから、まずは自分が感染しないように気を付けて、もし自分がコロナウィスルに感染してしまっては家族は勿論、他の人たちにも迷惑をかけてしまいます。
そうして、自分を守る事は人を守る事にもつながる、という事の意味も改めて知りました。

そして、今世界中が絶望的な状態です。そんな時こそ本が必要なのではないかと思うのです。自分が読みたい本は勿論、人を元気づけるお話や、優しい気持ちになれる本、などなど。
今はできるだけ家にいたほうがいい今はある意味、本を読むいいチャンスだと思います。
あなたの部屋の奥にも、何年も読んでない本が眠っていませんか?今こそその本を開いてみてはいかがでしょうか。
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うまくいかないそんなひは [絵本]

新生活が始まる季節ですね。進学、または就職した後は、思い通りに行かない時もあると思います。
そんな時に読みたい本がこちら↓です。




うまくいかないそんなひは じょうずなひとにきいてみよう
うまくいかないそんなひは すっきりさっぱりおかたづけ
うまくいかないそんなひは とりかえっこをしてみよう
うまくいかないそんなひは だれかのちからをかりちゃおう

そして、最後は、
うまくいかないそんなひは すてきなことがまってるよ
と。
 
などなど、シンプルだけど素晴らしい方法がたくさんのっています。
絵本ですが、大人が見ても十分楽しめる内容です。
これも大きなオチはないけど、面白いですよ。
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