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子供とカエル [ちょっと考えた事]

イソップ童話の子供とカエルのお話を最近始めて知りました。気になる物語の内容はこうです。
男の子が数人集まって池に石を投げて遊んでいました。ところが、池にはカエルがたくさん住んでいて、石が当たる度にカエルは大ケガをします。
そこで、一番年よりのカエルが男の子たちに
「石を投げるのはやめてください」
といいます。しかし男の子たちは、
「僕たちは何も悪い事してないよ、石を投げて遊んでいるだけだよ」
といいます。するとカエルは、
「あなたたちにとっては遊びですが、石が当たると私たちは大ケガをします」
といいました。そして、男の子たちは何もいわずに立ち去って行きました。



これは非常に興味深いお話です。自分にとっては遊びのつもりでも相手にとっては大迷惑な事もある。だから相手の立場も考えなさいよ、という例えですね。これは今も昔も通ずるところがあります。
そこで、このお話と実際にあった出来事を重ね合わせて、いくつか挙げて行く事にします。

最近の出来事ですがテラスハウスの出演者が自殺した事件です。SNSに誹謗中傷をした人は軽い気持ちだったとは思いますが(まぁ、番組内容をあんなふうにしたスタッフも問題ですが)、あのような書き込みされた側はひどく傷つきます。

ちょっと古いですが、次はピアノ騒音殺人事件です。
上の階に住んでいる一家がうるさいとばかりに下の階の住人が殺人を犯した事件です。音を立てた被害者からしたらそんなつもりはなかったと思います。(加害者自身が精神的におかしかった、というのもありますが)加害者にとっては大変気に障る事だったと思います。つまり例えていうなら、被害者が男の子たちで、加害者がカエルなんです。
勿論、一番悪いのは加害者なんです。しかし、相手の迷惑を考えなかった被害者にも非はあったと思います。

もっと身近な事では、目の不自由な人のために作られた道路の点字ブロック。黄色くてデコボコしたあのブロックですよ。その上に何と自転車を停めたりする人がいます。私たちみたく目が見える人(男の子のポジション)にとっては何て事ないんですが、目の見えない人(カエルのポジション)にとっては迷惑極まりない事なんです。

こちらは例えがちょっと間違っているかもわかりません。

人生会議のポスターの事を覚えているでしょうか。ある芸人さんが死期が迫った患者に扮したアレですよ。こちら↓に詳しい事が書いてありますが。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00135/00015/
このポスターは医者でさえも見るが嫌だったとか。
厚労省(男の子のポジション)は警告したつもりだったとは思います。しかし一般人、特に患者あるいはその遺族(これらはカエルのポジション)にとってはあまりにもふざけた内容だったと思います。
私があのポスターを見て、「こうやって病院で看取られるとみんなに気を使っちゃいそうだな。これなら一人で家で野垂れ死に(孤独死)したほうがマシか・・・」と、考えたのはいうまでもありません。

あとは悪ふざけ写真を投稿するアルバイトの店員、いわゆるバカッターといわれる人たちです。
店員(男の子のポジション)からすれば、ただ面白い写真を投稿しただけ。ところがお客、経営者(これらもカエルのポジション)にとっては、「何バカな事やってるんだ!」、「こんな店員がいる店にはもう二度と行かない!」、「これじゃもうお客は来ない・・・。店がつぶれてしまう・・・」といった感じです。
そして、いうまでもなく、このような写真を投稿した人は、人生が終わってしまったのも同然の生活を送る事になります。



ちょっと思い出したのですが、私の中学時代、男の子たちがストローに画びょうをつけてそれをダーツの矢のようにして壁に投げて遊んでいました。しかし、それが先生に見つかってこっぴどく叱られていました。勿論、童話の男の子たちと同様、悪意はなかったのかもしれません。でも、もし画びょうが誰かに刺さってケガでもさせてしまえば、それこそ取り返しがつかなくなってしまいます。
しかし、今思えばそれを無暗やたらに止めるのもいかがなものかと思うのです。おもちゃやゲーム機がなかった時代の子供たちは、自分で工夫しておもちゃを作ったり、遊びを考えたりと、いろいろ工夫したものです。だから、相手のいい分も聞かずに叱るのはよくない事だと思います。
勿論、何事にもTPOがあるんだし、そこをちゃんと教えるのが大人の役目だと思うのです。この場合は「工夫して遊ぶのはいいけど、このような事は誰もいないところでやろうね」という感じに。

すみません![あせあせ(飛び散る汗)]今回はかなり長くなってしまいました!
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don

知らないうちに、人を傷つけてること、あると思います。
人を傷つけないで生きる。むずかしいですよね。
by don (2020-10-01 20:30) 

のべる・K

>donさん

私もそう思います。 相手を傷つけないようにするのも結構疲れますね。
by のべる・K (2020-10-02 00:02) 

ステイク・ミディアム

こんばんは。またしばらくご無沙汰してしまいスミマセン!

この童話は小生も初めて知りましたが、つくづく今の時代に見比べたくなるものを覚えてしまう逸話ですね。
色々ご指摘されてふむふむと頷かされますが、ふと小生が思い出したのが岐阜で発生したBBQ殺人事件です。ご近所への迷惑を一切慮ることなく度々仲間を呼んでは飲めや歌えやのバカ騒ぎ、注意をされると逆切れして脅していた石材店勤務の男性が、いつもいじめていた隣の家の精神疾患患者に刺されて死亡した、という事件ですが、あれも被害者側は何も悪いと自覚していないんですよね。遺族は「ただBBQを楽しんでいただけなのに」と訴えたらしいですが、当の被害者が勤務先の墓石の上でサンマを焼いて食べる動画を面白半分にツイートしたりの過去の悪事がゴロゴロ発覚したのと、子供たちが父親同様のいじめっ子だったことなども手伝って、誰にも味方されないばかりかネット上では今でもバカにされているそうです。
もっと過去を振り返れば大津のいじめ自殺事件の加害者の親が「プロレスごっこをして遊んでいただけ。うちの子たちが悪いわけがないだろう」などとほざいていたのもありますね。
加害者は全く悪いことをしている自覚がないんです。たとえ悪いと思っていても、自分たちが楽しければいい、弱いものはどうなってもいい、という意識が当たり前になっていて、それを大人もスルーばかりか称賛さえする…嘆かわしいばかりです。

ただ、ダーツの件については色々難しいですね。
特定のいじめられっ子を的にした悪ふざけなどであったら許されない行為ですし、そこに工夫云々は全く言い訳になりませんが、文面から拝見するだに遊んでいた彼らはごくごく普通の子たちのようですし、怒鳴りつけた先生も報復を受ける心配がないとして上から目線でねじ伏せたように感じられます。これもまた違ったニュアンスではあるけれどいじめの一環ですし、カエルをいじめていた男の子たちと寸分変わらぬスタンスに思えます。
必要以上の上下の関係が存在しない世界、それを目指すのもまた我々大人の務めであると同時、子供たちにも課されなければならないミッションだと小生は感じました。

by ステイク・ミディアム (2020-10-17 02:20) 

のべる・K

>ステイク・ミディアム さん

そんな事件ありましたね。
いつもいいますが、法的には殺人者が一番悪いのですが、周りの事も考えないで大騒ぎをしていた側も問題だと思います。それに、この事件で刺された側も普段の行いが悪かったんですね。
おっしゃる通り、残念ながら「自分さえよければいい」と考えている人も少なくありません。

確かに、見た感じは悪い子ではなかったと思います。
その後も、「あれもダメ、これもダメ」と、いろいろ制約かけられて、かなりイラだっている子もいたと思われます。
でも、遊びだったとしても、何かあってからでは遅すぎますし、そこが難しいとこですね。
by のべる・K (2020-10-20 00:29) 

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