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【これまで】か 【これから】か それが問題ニャ!: 二匹のネコのその後 [絵本]


【これまで】か 【これから】か それが問題ニャ!: 二匹のネコのその後








毎日あるおじいさんの家でエサをもらっている2匹の野良猫。ある日突然おじいさんがいなくなってしまいます。何日たってもおじいさんは出てきません。
そこからが2匹の行動が違ってきます。一方は「おじいさんは死んだかもしれない」と考え危険な外の世界で生きていく事を決めます。一方はおじいさんが戻ってくる事を信じて、安全なおじいさんの家(の近所)に残る事にしました。
勿論、おじいさんがいなくなった理由ははっきり書いていませんが、出て行った猫のいう通り死んだか、引っ越したか、施設に移ったのではないかな?と思います。

残った猫はいつまでもおじいさんが戻って来ないので「やはり何かおかしい」と感じるも、たまーに親切な人間に出会い、自分が正解だと思ってしまいます。そしてそのまま飢え死にしてしまいます。残った猫を取り巻いていたのは「これまで」でした。
おじいさんはもういないんだ、というのは家がどんどん荒れて行くところ(草が生えてきたり、クモの巣が張ってきたり、ツタが絡んできたりする様子)を見れば明らかです。

一方別な地域へ飛び出した猫は何度も危険な目に遭うもいろんな経験をして、生きる術を学びます。そうしているうちにおじいさんの家で一緒にエサを食べていた仲間の事を忘れて行きます。しかし、年を取って次第に環境の変化について行けなくなります。若い猫が自分よりも力をつけて行き、仲間たちも次第に離れて行き存在さえも忘れられて行きます。そんな時、出会った子猫に生きる術を教えているうちに、自分は「これから」ばかり追って来た事に気が付きます。そしてもう自分は長くないと思ったのか「『これから』を失った自分はどう生きてい行けばいいんだ!」と叫びます。簡単にいえば、自分にはもう未来はない、という事ですかね。そして、「これから」よりも大切な事に気が付きます。
はっきりとは書いていませんが外の世界に出た猫が気付いたのは「今」を大切にする事ではないかな?と思うのです。そして、今は出会った子猫のために生きて行こう、と決意したのかもしれません。

う~ん哲学的というか、いろいろ考えさせられるお話ですね~。
まぁ、読みはじめた時は出て行った猫が正しいと思っていましたが、外はいろんな危険がありますしそれに(残った猫もいってますが)おじいさんが戻って来る可能性もゼロではありません。
残るも去るもどちらが正解という訳ではないのですが2匹を見てみると、おじいさんの家に残った猫は「過去」ばかり見ていて、別な場所に移動した猫は「未来」しか見ていなかった(昔の仲間の事を忘れていますし)ような気がします。
つまり、2匹の共通する部分は「今」を見ていなかったところだと思います。最終的にどちらも幸せになれなかったのはそこだと思うのです。


確かに、思い出を大切にしたり、先を考える事も大事だけど、もっと大切なのは「今」を一生懸命に生きる事ではないかな?と思うのです。
何ともいいたとえ話だと思います。
人生に迷った時に読みたい一冊ですね(笑)。

この絵本は「チーズはどこへ消えた?」というお話と共通する部分もあります。「チーズはどこへ消えた?」は別な機会にお話します。
すみません、かなり長くなってしまいました(苦笑)。
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