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自分探しの旅へ [宗教]

就職の季節ですね。え?「そんな事いわれなくたってわかってるよ!」ですって?まぁ、そういわずに。
今の時季だからこそおススメしたい本があるんですよ。心理学はそろそろ飽きて来たと思いますし、今回は、仏教の本を紹介します。

自分探しの旅へです。



仏教の教えを通して、自分とは、人とは、人生とは何かなどを考えていく一冊です。
本当の自分とは何か、自由とは何か、孤独とは何か、死んだらどこへ行くのか、など誰しも一度は考えた事のある疑問を、学生のサナギちゃんとその同級生のアオイくん、そして教授のミノムシ先生との会話を通して、説明して行きます。
仏教の話と聞けば、ちょっと堅苦しいイメージもありますが、これは全然そんな感じはしませんし、難しい言葉も丁寧に説明されています。
私が何回も読み返してしまうところは、孤独ってなんだろう?と、他人と比べてしまう自分、やきもちやきの自分、夢のない人生って・・・、と、自分探しのゴールはどこ?です。

孤独ってなんだろう、というところでミノムシ先生はこういいました。
「孤独ではないと言える人間はだれもいないんだろうね。ただ大切なのは、その孤独から何を学ぶかだね」、「孤独という状態から脱出するためには、他人をほんとうに思いやる心がないとダメだってことだろうね」と。ここを読むたびにちょっと安心しますね。孤独なのは自分だけじゃないんだな、と。

他人と比べてしまう自分、というところで、サナギちゃんが「自分では納得していたはずなのに、人と比べたとたん、何だかみじめな気持ちになっちゃう」といいます。それすごくわかるような気がします。私も小さい時や学生時代は、他人と比べてはしょっちゅう悲しい思いをしていました。
しばらくしてサナギちゃんは「どっちにしても、人間は他人と自分とを比べないと気がすまないってことかな。でも、どうしたらそういう気持ちをなくして、自分らしく生きることができるのかな?」と聞きます。すると、ミノムシ先生は、「他人とを比べることなく、ありのままの自分を見つめて生きていけたらいいだろうねといいます。

やきもちやきの自分、というところも興味深いです。
アオイくんは「嫉妬か・・・。サナギちゃんもそんな気持ちになったことある?」と聞きます。サナギちゃんは「あるよ、小学生のとき、仲のいい友だちに別の友だちができて、その子がねたましくて「○○ちゃんに近づかないで!」って泣いたことがある(笑)」と答えます。するとアオイくんは「高校の時、学園祭の演劇の主役を人に取られちゃって、そいつのことをすごく妬んだことがあるな」といいます。私も似たような経験を何回かしました(笑)。
ここでは、人の命まで奪ってしまう原因の多くは嫉妬だとミノムシ先生はいってます。本書にも書いてありますが、嫉妬って本当に怖いですね・・・(汗)。どんどんひどくなると、昼ドラみたいな感じになる事すらありますよね・・・。

夢のない人生って・・・、というところはもっとも好きなところです。ここは私の生き方を変えたといってもいいぐらいです。
ミノムシ先生は「でも、自分の限界がわかるというのは大事なことだよ。先生も中学のころ、作曲家を夢見てたけど、高校に入って進路を決めるころになって、ピアノや音楽の理論の勉強は自分に向いてないってわかってやめたんだ。それからは、夢を追うんじゃなく、自分ができることを探しながら、一歩一歩無理せず進んでいくことに決めたんだ」といいました。
この言葉が私の生き方を少し変えました。

さて、自分探しのゴールはどこ?ですが、ミノムシ先生は「この旅は一生終わらない旅だよ」といってます。
私も、人生の答えは一生見つからないと思います。もし、答えが見つかったらその時は、死ぬしかないと思うんですよ。


仏教の本ですが、どこか哲学的な部分もあります。
孤独を感じている方や、これから何をすべきかを迷っている方は勿論、「自分が本当に求めているのは何だろう・・・」、「自分が選んだ道はこれでいいのだろうか」とお悩みの方にぜひ読んでほしいです。
読めば読むほど、心にゆとりができますよ(笑)。
何より、就職の季節にピッタリです。だってサナギちゃんもアオイくんも就職活動中ですものね(笑)。

ここからはちょっとしたおまけです。おそらく3人のキャラクターはさなぎ、青虫、ミノ虫をモチーフにしていると思われます。
最初の場面では、

アオイ この懐かしい場所に、
いつまでも、ずっとこうしていられればいいんだけど。

サナギ でも、私たち、
いつかは旅立っていくんだよね。

という話しをしているところがあります。
(あくまでも自分の勝ってな解釈ですが)この会話からして、さなぎにしても、青虫にしても、ミノ虫にしても、いつか成虫になってどこかへ飛んで行ってしまう。それと同じように、人もそれぞれの方向へ進む、という事を教えていると思われます。
ミノムシ先生も自分からいってますが「先生は呼び名のとおり「ミノムシ」だもの、いつになったらこの殻から抜け出せるか、前途はおぼつかないからね」といってます。
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