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孤立死 [社会]





孤立生活者とその死を考えて行く一冊です。なになに?「孤立死?オレには関係ない」ですって?そんなあなたへ。これは決して他人事ではありませんよ。
「はじめに」というところを読んでわかるのですが、縁とはチャンスであり、いかに大切なものであるかがわかります。無縁社会ではなく、無援社会と表現しているところもあります。16Pからは結婚を控えたカップル、コウジくんとリツコさん(「孤立」から取った名前なのかな?)が孤立死について語ります。

それから、孤立死の実態を紹介した漫画(勿論、フィクションです)がはじまります。
そして、漫画が終わったあと再び、コウジくんとリツコさんの会話がしばらく続きます。

第2章からは、孤立死について本格的に考えて行くって感じですね。
で、そもそも孤立死とは、社会から孤立した状態で過ごしている人が自宅で亡くなる事を意味するそうです。つまり、孤立していない人が息を引き取った時、偶然、誰にも看取ってもらえなかった場合は、孤立死のうちには入らないそうです。
読んで、人が孤立する原因は一つだけではなく、いろいろ重なってそうなって行くんだな、とつくづく感じました。

孤立死する人間の共通点が102Pに出ています。まずは自分の部屋の掃除をあまりしていない、など。これは、あくまでも私の推測ですが、さらなる共通点は、お金がないという事だと思います。そうなんです、お金がないとどんどん孤立して行くんです。誰かと付き合うにしてもお金がかかります。たとえお煎餅1枚ごちそうするにしても、お金を使います。掃除をしていないため人も呼べない。その上お金がないためおごる事も出来ない、って感じですね。そうしているうちに、だんだんみんなから忘れ去られて行くんですね。
読む度に、マザーテレサの「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」という言葉を思い出します。

さらに著者は孤立しないためには、このような人間であってほしいといっています。

人から話しかけられる人間であること。
人に声をかけることができる人間であること。
人の歩調に合わせることができる人間であること。
人に経験上のアドバイスできる人間であること。
人が一緒にいるとホッとできる人間であること。
人が困ったときに思い出してもらえる人間であること。
人に安心できる笑顔を提供できる人間であること。
人からあてにされ頼りにされるような人間であること。

と。
本書にも書いてありますが人間関係って実に煩わしいものです。しかしながら、私たちの生活を豊かにしてくれるのもまた、人間関係なのです。
そして興味深い事に、パソコンが普及したせいか、最近は若い人の孤立死も増えているそうです。
いうまでもありませんが、孤立生活者とは、ネガティブな生き方からなかなか抜け出せないそうです。

それから、住民が孤立死した時の、大家さんへのアドバイスもあります。

204~206Pに出て来る孤立度危険チェック表は、本書を手に取る機会があったら、ぜひやってみてください。

これから先の事が心配な方や、親が一人で住んでいるという方は一度読んでみてはいかがでしょうか。あと、アパートの大家さんにもおススメです。
私も自分がこうならないためには何をすればよいのか知りたいと思い買いました。

ここからは、漫画の一部を紹介します。
見たい方は「続きを読む」をクリックしてください。写真をクリックすると拡大します。

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温かみのある絵が、孤立死の恐怖を和らげてくれます。
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