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ジョークなしでは生きられない [小説、童話]

ジョークなしでは生きられない (新潮文庫)


今日はエイプリルフールですね。簡単にいえば、ウソをいってもいいよ、という日ですね。なので、今回はエイプリルフール相応しい一冊を紹介します。
世界の面白くて、ユーモアいっぱいのお話が盛りだくさんです。お話といっても、短い物語がいっぱい書いてある短編集みたいな感じですね。
新聞でこの本の存在を知り、読んでみたくなってアマゾンで買いました。


私の気に入った、お話を幾つか紹介しますね。まずは、111ページの楽天主義で行こう、という物語では2人の靴のセールスマンがアフリカに行きました。1人は「見込みはありません。ここでは誰も靴を履きません」と会社に電報を打ちました。しかし、もう1人は、「見込みあり。ここではまだ誰も靴を履いていませんから」という電報を会社に送りました。

123ページの、あなたを恵む人、私をもらう人、というお話では、乞食(他人からものをもらって生活する人)がレストランでビフテキ(ビーフステーキ)を食べていました。これを見た貴婦人が、「まあ、あなた。いくらお金があるからって、乞食がビフテキを食べていいものでしょうか」といいました。すると乞食は、「奥さま。お金がないときには当然ビフテキを食べられませんし、そのうえお金があっても食べられないとなると、いったい乞食はいつビフテキを食べればいいのでしょうか」とヘリクツをいいます。

とりわけ気に入ったのが、183ページの、ドロボウにはご用心、というお話です。
江戸時代、ある泥棒が処刑されようとしていました。すると泥棒は「最期に歌をよみたい」といいます。役人が「さあ、よめ」というと、「「かかるときこそ命の惜しからめ かねてなき身と思い知らずば」と、よみます。すると役人は「それは太田道灌の歌ではないか」といいます。すると泥棒は「はい、これが一生の盗みのおさめ」といいました。つまり盗作って事ですかね。
そのあとはもっと面白い話があります。ある泥棒がニワトリを盗んで、羽を全部むしったところで、家の人がやってきます。泥棒は慌ててニワトリを目の前の小川に投げ捨てます。家の人は、「オレん家のニワトリを盗んだだろう」といいます。「いや、盗まない」「嘘をつけ。裸のニワトリが川でバタバタやってるし、お前の足もとに白い羽が山ほどある」。すると泥棒は「今、ニワトリに、水浴びをするからちょっと服を見張っててくれ、と頼まれたんだ」とありもしない言い訳をします。泥棒がいった事は勿論、デタラメですが、泥棒の現場を見つけられた時は苦し紛れの言い訳をする、と本書に書いてあります。

どれも短い物語ですが、とても深い意味が込められています
だいぶ昔の本ですから手に入れるのがちょっと大変ですね(笑)。
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