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ひきこもれ [思想、哲学]

【送料無料】ひきこもれ [ 吉本隆明 ]



著者が社会問題になっているひきこもりや不登校についていろんな面で語って行きます。
まずは、世に出ることはいいことか、という話からはじまります。このような文章からはじまります。本書からの引用です。
「ひきこもり」はよくない。ひきこもっている奴は、何かして社会に引っ張り出したほうがいい。そうした考えにぼくは到底賛同することができません。
と。そして、世の中には学者や物書きなど引きこもってする仕事もたくさんあるといっています。

ひきこもっている人たちを、何とか世の中に引っ張り出そうとして活動している素人の人たちがいます。この文章のあと、ひきこもりには2種類あるという興味深い事が書いてあります。一つは、ひどい引っ込み思案だったり孤独癖があったりして社会とうまく馴染めないくて、1人でいるのは好きな人たちです。もう一つは、ある限界を超えて心の病にかかってしまった人たちだそうです。
私も精神的にひきこもりがちですが、どちらかといえば前者ですかね。著者も、前者は昔からいたわけで、別に問題ない。ひきこもる時間は当の本人たちにとって必要な時間です。生きづらかったり、社会に出ることもあるでしょうが、赤の他人になんだかんだ言われる筋合いはありません。そして後者の場合は、素人の手に負えるはずがありません。医者とか心理学者とか、そういう専門家の力が必要になってきます。といっています。そういえば昔、ひきこもっている人たちを無理やり外に出そうとする人たちがたくさんいたような気がします。
そして、他人のつながり方は、人それぞれでいいそうです。まぁ、簡単にいえば、ひきこもりもある意味必要だという事ですね。

それから、不登校について深く語っています。
フリースクールについても実に興味深いです。また本書からの引用です。
不登校の子どもたちは異常でもなんでもなく、学校の欺瞞性のようなものを鋭く見抜いている場合が多いといえます。ある意味でとてもまっとうな感受性を持っているのです。
けれども、だからといって彼らが学校にまったく行かなくなってしまうことがよいことだとは、ぼくは思っていません。不登校の人たちだけでグループを作ってかたまってしまうことも、やめたほうがいい。
(中略)自分を特別な位置に置いてしまうと、世の中にはいろいろな人がいて、考え方は違ってもみんな平等なんだ・・・・・・ということが成り立たなくなってしまいます。
それに、同質の者が集まって作る世界は傷つくこともなく快適ですが、先が閉じています。発展して行く余地がないのです。いくら立派な理由があって作った集団でも、始末におえないものになってしまう恐れがあります。
そして、学校は適当にサボりながら、何とか卒業すればいいそうです。どうしてもみんなと一緒にやらなくてはいけない最小限の事だけをやって、不登校的な感じで行けばいいそうです。

人と話すのが苦手な著者は、銭湯と神社のお祭りで孤独感を癒したそうです。そのような場所は大勢人がいるものの、誰とも口を利かなくてもいいし、知ってる人もいないし、そして自分もみんなと同じ事をしているという安心感があったそうです。う~ん、なんかそれわかります~。私もよく気を紛らわすため、街やコンサートに出かけたりします。知ってる人もいないし。常に誰かがそばにいる、という安心感があります。

無理に外に出ろという訳ではないし、かといって、いつまでもいう訳ではありません。著者は自分の意見ははっきりいってはいるものの、決して偏った考えではありませんよ

これも読めば読むほど心にゆとりが出ますよ!自分の子どもがひきこもっているという方にもおススメです!
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