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ストーカーの撃退マニュアル [社会]





ストーカー規制法をはじめ、ストーカーに関する知識、そもそもストーカーとは何か、役に立つ護身グッズなど、ストーカーから身を守る知識などがたくさん出ています。随所には、ストーカーの手口が漫画やイラストで紹介されています。ユーモアいっぱいの漫画がストーカーの恐怖を半減させてくれているような感じです。

ストーカーにもいろんなタイプがあるんですよ。
まず1つは、相手が他の人と接する事が許せない嫉妬深い奴。これはもっとも危険なタイプだと思います。
2つ目は、「キミなしじゃ生きられない」というタイプです。これは精神的に安定したいがゆえに、自分を認めてくれた人、癒してくれる人に依存してしまうそうです。要は誰かに甘えたいという欲求ですね。このタイプは外の世界では何もできないクセに、恋人の前では自分の思いどおりにふるまう事ができるそうです。そして、自分の恋人だけを支配できるのもこのタイプの特徴だそうです。
3つ目は、異常な執着心の持ち主ですね。簡単にいえば、自分が一度決めた相手は絶対に自分のモノにしないと気が済まない、というタイプですかね。
4つ目は、運命の赤い糸を信じているタイプだそうです。読んでみると、童話「シンデレラ」のような展開を期待している感じだと思われます。
そして、5つ目はナルシスト型です。読んで字の如く、うぬぼれというか、「自分はこんなに素晴らしいのだから、相手は絶対に自分を好きになってくれる」と思い込んでいるタイプだそうです。自分優先で相手の気持ちも考えずにただただ攻めまくるそうです。
あと、本書には書いていませんが、1と2の複合型、あるいは3と4、2と5などの複合型も何通りか存在すると私は考えております。

そして、意外な事にストーカーの定義はないそうです。ストーカーであるか否かは、あくまでも被害者の受け取り方だそうです。

私がもっとも興味を持ったのが、52Pからのストーカーの心理についてです。これがまた面白いほどよくわかるんですよ(笑)。

燃えるような恋をして夢中になった事のある人なら、そのときの夢うつつの気持ちを思い出してみよう。まるで魔法にかけられたように違う自分になっていたことをおもいだせるじゃないだろうか?見るもの聞くものすべてが恋しい相手を連想させ、興味がその相手だけに集約されてしまう。ストーカーとはこういった強烈な恋愛感情をひとりの人間に抱き、その想いを成就させようと必死になった悲しい人間のなれの果てなのだ。
と書いてあります。そしてまた実に興味深い事が書いてあります。

ありのままに相手を見ている人はなかなかいないだろう。相手個人ではなく、自分が作り上げた理想像の相手や、自分とステキな恋愛をしているイメージに恋をしている人は多いはず。多かれ少なかれ、誰にでもこういった、恋に恋するという経験はあるもの。
と。要は相手の事をよく知らないで(知ろうとしないで)、その人を自分の都合のいいように理想化してしまうんですね。まさに、漫画「華なりと」の主人公状態ですね(笑)。そしてさらにこう書かれてあります。

しかしストーカーはこれが行きすぎて、妄想の域に入ってしまった厄介な代物なのだ。とくに、毎日ハリのない虚しい生活を送っている人ほど、相手が自分に与えてくれそうな未来に期待しすぎてしまう傾向がある。恋愛ドラマを頭の中でどんどん膨らませるうちに、現実と妄想の世界がごっちゃになってしまうのだ。
そしてそのうち、恋する相手が自分の存在理由そのものに思えてしまい、どんなことをしてでもその人を手に入れたいと願う。いくら断られても、簡単にあきらめるはずがない。だって相手は自分の存在理由そのものなのだから・・・・・・。
ここまで読むと背筋がちょっと寒くなりました。勿論、元恋人(または、元夫)がストーカーになるケースも少なくありません。しかも悲しい事に、「自分はストーカーだ」という自覚がない場合もあるそうです。
またストーカー的特徴のひとつは、自分という核がないそうです。つまり、太い柱となるとなる自分自身がないのです。それゆえにひとりでは精神的な安定が得られず、他人に依存してしまうのです。愛する相手が一緒にいる事によってはじめて自分が完全な存在になれたと感じるそうです。


ストーカーはリアルな世界だけではなく、ネットの中にも潜んでいます。

76~78Pに出ている、自分のストーカー度を判定するテストはやってみる価値アリです。

本書も絶版になっているんですが、結構使える一冊だと思います。このご時世必要なのはこのような本だと思うので、新たに再版してほしいです。

私はストーカー行為をしている輩に、スナフキン(懐かしいな)の「あんまり誰かを崇拝すると自分の自由を失うよ」という言葉を伝えたいです。

ストーカーの被害に遭っている(もしくは遭われた)方は勿論、将来犯罪心理学者になりたい方にもおススメです。
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